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Species Rose 1 (日本の原種バラ) 

バラ科(Rosaceae) : Species Rose (原種バラ) 
バラの原種は北半球の国々に自生し、5枚の花びらが基本形
現代バラの全てが、これらの原種バラのどれかを祖先としてもち、交配を重ねながら進化して きました。この飾り気の無い野生のバラには、純で清楚な飽きのこない美しさが感じられます。

 日本に自生する野生種はノイバラ(R. multiflora Thunb. ex Murray)、テリハノイバラ(R. wichuraiana Crép.)、ハマナス(R. rugosa Thunb. ex Murray)、オオタカネバラ (R. acicularis Lindl.)、カラフトイバラ(R. marretii Lév.)、オオフジイバラ(Rosa luciae var. fujisanensis)、アズマイバラヤマテリハノイバラ(R. luciae Franch. et Rochebr.)、ヤマイバラ(R. sambucina Koidz.)、カカヤンバラヤエヤマノイバラ(R.bracteata Wendl.)ナニワイバラ(R. laevigata Michx.)、サンショウバラ(R.roxburghii Tratt. var. hirtula (Regel) Rehd. et Wils.)の10種と、
タカネバラ(R. acicularis var. nipponensis(Crép.) Koehne.)、ツクシイバラ(R. multiflora var. adenochaeta (Koidz.) Makino)、モリイバラ(R. luciae var. hakonensis Franch. et Sav.)、フジイバラ(R. luciae var. fujisanensis Makino)、ヤブイバラニオイイバラ(R. luciae var. onoei (Makino) Momiyama)ミヤコイバラ(R. luciae var. paniculgera (Makino) Momiyama)の6変種があげられます。




ノイバラ 

Rosa multiflora
 Multiflora Japonica



(日本全土にまたがる自生種)


花径 3㎝
花は一重咲きで、半つる性
房咲き性で、沢山の花をつける
葉は、奇数羽状複葉
葉柄の付け根に托葉あり
花期は5月~6月






日本全土に自生
 
 
ノイバラ *  野茨 *  野薔薇

 
日本の野生バラの代表格で、日本全土に自生します。半蔓性の落葉低木で、いたる所に茂みを作ります。淡紅色が混じるものもありますが、基本的に純白で小さな愛らしい花を鈴なりに咲かせます。この学名、“ムルティフローラ”は、たくさんの花をつけるという意味で、この房咲き性がポリアンサやフロリバンダに伝えられました。
暑さ寒さに強く、耐病性にも優れるため、接ぎ木の台木として使われてきました。
 
日本で報告されているノイバラ系の化石は、100万年以上前の物とされているそうですが、文献に最初に登場するのは奈良時代の『常陸風土記』や『万葉集』で、「うばら」とか「うまら」と記されているようです。                                    
 
岩手の山野に自生する野ばらもよく観察してみると、沢山のバリエーションがあることに気がつきます。日本に自生する野ばらは、十数種あると言われますが、一般的にはノイバラが圧倒的に多いようです。テリハノイバラやその他の野ばらとの区別のポイントである托葉や花柱の毛、枝の色や子葉の状態などを観察しながら、さらに詳しく分類していきたいと思っています

円錐花序の多花性 葉柄に合着する托葉
愛らしいピンクの花 しわが深めの子葉 玉すだれのような樹形
     




ノイバラの変異種たち


(岩手山麓の自生種)


花径 2.5~4cm
花は一重咲き
半つる性
匍匐性
房咲き性で、沢山の花をつける
葉は、奇数羽状複葉
葉柄の付け根に托葉あり
花期は5月~6月

 
 ノイバラは、日本全土にまたがり最も一般的に見ることの出来る野生のバラ(原種)の一つですが、近縁種の「テリハノイバラ」は残念ながら、岩手には自生しないという説が正しいようです。岩手山麓に自生するノイバラには、幾つかの異なった特徴があり、テリハかと思われるものが幾つかありましたが残念でした。
 近隣のバラ園なら、園芸種の台木として使うために育成していないかと期待しましたが、未だ出会うことはできません。でも、原種バラへの興味は尽きませんので、これからも出会いがあれば、次々にUPしていきたいと思っています。お楽しみに・・・!


匍匐性で地を這う 燃えるような新芽
くし型の托葉 光沢のある子葉




テリハノイバラ

Rosa wichuraiana

花径 3cm
一重咲き、一季咲き
つる性
遅咲きで、6月~7月






ほぼ日本全土に自生
北限は宮城よりの三陸海岸

 
 
テリハノイバラ(照葉野茨)の名前が示すように、光沢のある小葉に特徴があります。地を這うように伸びていく性質から、現代つるバラのもととなりました。
 様々な情報が交差し、岩手にも自生するかと期待しましたが、実際には、自生地は宮城県以南ということが正しいようです。事実、松島海岸や仙台市内にも自生しています。
その後の情報で、大槌町をはじめとした三陸海岸にも自生するという文書がありました。

 ついに、この憧れのテリハノイバラに感激の初対面!
もう言うことありません!




のこぎり型の托葉 小さく光る子葉
地を這うように伸びる 愛らしいつぼみ
トゲナシテリハノイバラ 丁字咲きテリハノイバラ 斑入テリハノイバラ




ハマナス

 Rosa rugosa
(英)Japanese Rose


(宮古・浄土ヶ浜に自生)

花径 10㎝
一重咲きの大輪

海浜植物
砂中に地下茎を伸ばし
芽を出して群生
樹形は横に張り出す






北海道、東北の浜辺に自生

 
 
バラは世界で、約2万種類以上あると言われますが、その基本となるものは8種類で、ノイバラやテリハノイバラと共に、このハマナスもバラ改良の基本種として大きな位置を占めているようです。
とりわけ、このハマナスは日本原産で、東北、北海道の浜辺に自生することで知られています。

  「生命力が強い」、「純朴で野性的」などの理由から、「北海道の花」として指定されました。また、皇太子妃雅子さまの「おしるし」でもあります。  
                      
 ハマナスは「浜梨」または「浜茄子」と書かれます。名前の由来には諸説ありますが、ローズヒップと呼ばれる果実が梨に似ていることに由来し、「ナス」は「ナシ」の訛った発音だというのが正しいようです。 色は、赤紫色、桃色、白色があります。      
        
 


八重咲き ローズヒップ(実)




オオタカネバラ

Rosa acicularis
(英) Prickly rose

花径 4~6




北海道から本州中部に自生

(八幡平にも自生)



 
 オオタカネバラ(大高嶺薔薇)は、ここ岩手では八幡平と早池峰山に自生します。花はとても鮮やかな紅紫色で、その年に伸びた細くしなやかな枝先に1花ずつつけます。花期はとても短く、開花してから数日ですぐに散ってしまいます。近似種の「タカネバラ」は、宮城県以南に自生するようで、オオタカネバラを母種とします。花は極めて似通っていて見分けるのが困難ですが、タカネバラは楕円形の小さめの葉に特徴があるようです。
 



可愛いつぼみ
托葉と枝、腺 きれいな実




カラフトイバラ

R. marretii Lév.


花径 cm
一重咲き 一季咲き


北海道の内陸部に自生


 
 
カラフトイバラ(樺太茨)は、ハマナスに近縁な種として主に北海道に分布します。
ハマナスと違い、内陸の草原や林縁におもに自生します。信州にも自生しています。現在、絶滅を危惧する分類群のレッドデータブックに載っているとのこと。
一見するとハマナスに似ていますが、ハマナスよりも棘が少なく色も薄い。さわやかな芳香があり、赤みを帯びた苞葉が目立ちます。
別名をヤマハマナスとも言います。


 







フジイバラ

R. fujisanensis


花径 3cm
一重咲き 一季咲き


(富士山、箱根、紀伊半島、四国)


 
 
フジイバラ(富士茨)は、日本原産で、その多くが富士山の付近に自生するところから、命名されました。ブナ帯の尾根筋などの明るい場所を好みます。幹は太く直立し、枝は密な分枝が特徴です。葉は表面に光沢があります。

 







ツクシイバラ 

Rosa multiflora var. adenochaeta

花径 4㎝




 
 ツクシイバラは優しいピンク色でその花弁の底の部分は白くなっています。
ノイバラの変種で、日本では九州南部に自生しているそうです。中国中西部、アジア東北部に分布。
 学名のロサ・ムルティフローラはノイバラ、アデノカエタのアデノは腺、カエタは毛を表していて、花序の軸、花梗、がく筒、がく片にある特徴のある腺毛を表しています。
 このツクシイバラは、宮崎、熊本、大分、鹿児島など南九州に分布し、とくに熊本県の球磨川は最大の自生地で、絶滅危惧種(Ⅱ類)に指定されていることから地元の「球磨川ツクシイバラの会」が保護活動を行っているそうです。
 

 


岩手の・・・
青森の・・・





モリイバラ

Rosa jasminoides
Rosa jasminoides hakoneibara


(関東以西)日本固有



  
 モリイバラ(森薔薇)の名前は山地に生えることに由来します。葉はテリハノイバラのように丸いですが、鋸歯が鋭く、他のバラより裏が白いのが特徴です。
ミヤコイバラと同じように托葉の縁や花柄に腺毛が生えます。刺は細長く、まっすぐです。
主に、関東以西に自生しますが、この写真は、千葉の山地で撮影しました。









ミヤコイバラ

R. luciae var. paniculgera
(Makino) Momiyama
 



 
 
ミヤコイバラ(都薔薇)は、京都周辺に自生するために名づけられました。
丘陵地の比較的乾いたところを好みます。
5月、ノイバラより少し遅れて咲き始め、白色小輪花が大きな円錐花序となります。
葉柄、花柄だけでなく、枝にも腺毛があります。