西塔は本堂にあたる釈迦堂を中心とする区域です。
東塔から北へ1キロメートルほど、うら淋しい山林の中を歩いたところにあります。12月半ばの冬枯れの山道を、ほとんど観光客のいないなか一人歩くのは、ある程度の歴史を知っている身としては、いささか怖い気持ちもありました。
ここは、第2世天台座主 寂光大師 円澄によって開かれました。本堂は釈迦堂(転法輪堂)です。他に修行のお堂である「にない堂」や伝教大師最澄上人の御廟所である浄土院などがあります。(浄土院は東塔と西塔の中間にあるので、東塔の方にも掲載しました)
「にない堂」は、「法華堂」と「常行堂」の二つのお堂を渡り廊下で結んだ形が、ちょうど天秤棒のようだとうことから名づけられたそうです。言い伝えでは、弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担ったとの伝説から、…ともいわれているそうです。