♪ 小さな私塾の先生から見た子ども達、風景、異文化の世界 ♪
花と光と風と…
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松山・道後温泉  2009
 















  『玉の石 御湯かけ祈願』

「伊予国風土記」には、大国主命と少彦名命の『二神の伝承』が伝えられています。 大国主命が、重病の少彦名命を助けようとして、大分の速見の温泉を引き、湯あみさせたところ、不思議によみがえり、立ち上がった少彦名命が踏んだ石に足跡が残ったという伝承があります。その『玉の石』が、道後温泉本館の脇にあるこの石です。これがこの道後温泉の霊妙不可思議な効力の象徴となっているそうです。









道後温泉は3000年の歴史を誇る神代の時代からの名湯です。そして、日本書紀、風土記に登場する、「日本三古湯」の一つとしても知られているようです。その「日本三古湯」とは、道後温泉(愛媛県)、有馬温泉(兵庫県)、白浜温泉(和歌山県)の通常三つを指しています。勿論、他にも全国の有名な温泉地が名乗りを上げているようですが…。なんといってもこの「道後温泉本館」は、情緒ある木造三階建ての威風堂々の構えで、スタジオ・ジブリの映画『千と千尋の神隠し』そのままという評判通りでした。大の温泉好きで、ジブリファンの私には嬉しい限り…。正直言うと、私にとって松山といえば、『道後温泉』と夏目漱石の『坊っちゃん』くらいしか浮かびませんでした。ところが、訪れたその時は2009年暮れ、ちょうどNHKで特別企画ドラマ、『坂の上の雲』が始まった頃でした。正岡子規の名前はかろうじて知っていましたが、秋山兄弟の名は初耳でした。…今、じっくりとその当時の歴史をひも解いています。気になる温泉の泉質は、無色透明に近い「アルカリ性単純泉」ですが、やや優しいとろみのある柔らかい感触です。浴槽は、歴史を感じさせられるどっしりとして丸みを帯びた花崗岩(御影石)です。浴槽は1階にある大衆用の「神の湯」と、2階にある「霊の湯」で、大広間の休憩室では、炭火でいれたお茶とお団子を楽しめます。料金は大人400〜1500円までのランクあり。1200〜1500円の霊の湯入湯料では、皇室専用浴場「又新殿」や『坊っちゃんの間』の見学もできます。私はこの松山滞在中、「霊の湯」「神の湯」そして「見学」も含めて4回ほど訪れました。



 




夜、明かりの燈った本館はみごとです。


               


 


道後温泉駅前のビルに囲まれてはいますが…




夜になると、その存在感がひときわ増します


 



振鷺閣 (しんろかく)
本館三層楼の屋上にあり、閣内の広さは約1坪、
周囲の窓は赤いギヤマンをはめた障子です。



 ≪白鷺伝説≫

 足に傷を負い苦しんでいた一羽の白鷺が、岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日飛んできては、その中に足を浸していました。すると傷は完全に癒えてしまい、やがて元気に飛び去っていったということです。これを見た人たちは大変不思議に思い、入浴してみました。すると、とても爽快で疲労も回復し、また、病人もいつのまにか全快してしまいました。それ以降、評判が評判を呼び、多くの人々に盛んに利用されるようになりました。

                  








道後温泉駅前にある『からくり時計』

定刻になると、音楽と共に、坊ちゃんやマドンナなど
道後温泉ゆかりの人物が現れます。




『時計』の隣にある『放生園の足湯』
につかる人々







「又新殿」(ゆうしんでん) (右側入口)
「全国に唯一の皇室専用浴場」
…とあります。




見事な鬼がわら







『則天去私』

夏目漱石の最晩年(大正5年)の言葉。
小さな私を去って
自然にゆだねて生きること。





ひと風呂浴びた後の漱石さん







 『坊っちゃんの間』のゆかり

道後温泉本館は、明治27年に建設され、平成6年12月には温泉施設としては初めての国の重要文化財に指定されました。夏目漱石が、松山中学の英語教師としてこの地をふんだのは、明治28年4月。そのころの道後温泉は、木の香も新しい建物であったことから、漱石は、「道後温泉はよほど立派なる建物にて、八銭出すと3階に上がり、茶を飲み、菓子を食い、湯に入れば頭まで石鹸で洗ってくれるような始末、随分結構に御座候」と手紙で書き送っています。漱石は、病気静養のため帰省していた子規と50日余り同居生活し、子規や虚子としばしば道後に出かけています。道すがら交わした文学論や、神仙体の俳句は、一介の英語教師から文豪・夏目漱石へとなる発端になりますが、この「坊っちゃんの間」は漱石の娘婿松岡譲氏の命名で、漱石をしのんで作られたものです。








『坊っちゃんの間』


 




      神の湯二階席の大広間
貸しタオル・浴衣・お茶・お菓子(坊ちゃん団子)がつきます。









 
 












本館前に控える『人力車』


 
 




地ビールで有名な麦酒館で
とびっきり美味しい宇和島鯛飯を…!
本館を出てすぐ右手です。





 




その商店街には、こ〜んなお店が…
ジブリのキャラクター達でいっぱいに溢れた
素敵な空間でした。





松山城






坊っちゃん電車とマドンナ















松山城