花と光と風と…
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妖精の舞う森:恵庭  May 2012

 



きれいなピンクのエゾエンゴサク!





  その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由
の天地でありました。天真爛漫な稚児の様に、
美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活
していた彼等は、真に自然の寵児、なんという幸福
な人だちであったでしょう。

 冬の陸には林野をおおう深雪を蹴って、天地を
凍らす寒気を物ともせず山又山をふみ越えて熊を
狩り、夏の海には涼風泳ぐみどりの波、白い鴎の歌
を友に木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁
り花咲く春は軟らかな陽の光を浴びて、永久に囀
(さえ)ずる小鳥と共に歌い暮して蕗(ふき)とり
蓬(よもぎ)摘み、紅葉の秋は野分に穂揃うすすき
をわけて、宵まで鮭とる篝(かがり)も消え、谷間
に友呼ぶ鹿の音を外に、円(まど)かな月に夢を
結ぶ。嗚呼なんという楽しい生活でしょう。平和の
境、それも今は昔、夢は破れて幾十年、この地
は急速な変転をなし、山野は村に、村は町にと
次第々々に開けてゆく。

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…最近になって知ったアイヌの天才歌人、知里幸恵
の美しい歌集『アイヌ神謡集』の冒頭です。
長〜い冬の雪解けを待ち焦がれたようにして咲き
競う早春の花々を見ると、その厳しい冬に耐え
ながら、自然と調和し、自然の恵みに感謝して
生きていた人々の姿が偲ばれます。
 私自身は、明治維新前後から全国より「開拓
者」として入植してきた人々の開墾の苦労に
とても敬意を感じるのですが、同時に、先住民族
であったアイヌの人々がそれにより居住地を追
われ、または狭められて多くのものを失っていっ
た過程を思うとき、とても複雑な思いになります。
北海道住民になった今、謙虚にその「歴史」を
学んでみたいと思っています。

 その日訪れたこの公園は、都市の市街地の一角
にありながら、広大なエリアが原生林のまま残され
ていて、本当に『妖精』が舞う姿を思い描くことが
できるような美しい森でした。

 
 




ほんのりピンクに染まったニリンソウ


 




きれいなブルーも…


 





緑のニリンソウも…!!















 











ひょっとして「カワユエンレイソウ」かしら
…と思いましたが、どうでしょう?

 




突然変異?…初めて見た花弁の丸いもの
本当に可愛らしい姿です!

    
 




オオバナノエンレイソウ







花弁がとっても細くて長〜い!


 
 






 













 

ヒダカエンレイソウ?




 妖精の舞う森:野幌  May 2012





オオカメノキ





 札幌市の郊外にある野幌森林公園もまた、見事な原生林の残る素晴らしい自然美の宝庫です。
 先回訪れた時は、まだ一体が雪に覆われていて春の気配は感じられませんでしたが、今回は、お天気にも恵まれて、のどかな春の陽気の中で、全ての生きものたちが「命の讃歌」を奏でていました。

 これほどの大都市の側に、こんなに豊かな原生林の領域が保存されているとは、さすが北海道…と驚嘆してしまいます。四季を通じて様々な植生を楽しむことができますね。

 




ゴジュウカラ
2m程の目の前を歩いていました!


 




瑞穂の池


 







 




お休みどころまで用意されて…


 




フクロウが…ななめ後ろ向きですが


 




オオバナノエンレイソウ


 




これはエゾミヤマエンレイソウ…


 




ヒダカエンレイソウ
花弁は一枚ですが…

 




(一方の親)ミヤマエンレイソウ


 




(もう一方の親)エンレイソウが
それぞれすぐ側に…

 



座禅草:ザゼンソウ