花と光と風と…
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黄金山  June 2012

 



エゾエンゴサクとエゾヒメギフチョウ





 つい先日まで聞いたこともなかった「黄金山」。
そこに行こうと思い立ったのは、今年こそ出会いた
いと心密かに願っていたエゾヒメギフチョウに会う
ためでした。冬の大雪のため春の到来が比較的
遅いと思っていたのに、ようやく開花情報があち
こちで聞かれるようになると一気に早春花の季節
が全道を駆け抜けるような勢い…。きっと、たった
1〜2週間と言われるヒメギフチョウの季節はもう
終わってしまったのだろうと淋しさを感じていました。
そこに飛び込んできた「その蝶」の情報!「きっと
出会える」の強い期待感を持って出発しました。

晴れ上がった空と青く輝く石狩湾を左手に眺めな
がら、心地よいドライブを楽しみつつ北上しました。
頂上に登頂する手前にはちょっと危険な岩場もあ
ると聞き、お花や蝶との出会い次第で、どこまで
いくか決めようと決意しました。今回はエゾヒメギフ
チョウと、フギレオオバキスミレとの出会いが一番
の願い。そして願わくはそのヒメギフチョウの吸蜜
の瞬間と産卵を写真に収めたいという願いがあり
ました。さて、どうなるか?

この黄金山は聞きしに勝る美しい山でした。
清々しい木漏れ日のシャワーとマイナスイオンを
全身に浴びながら、愛らしい花々に心躍らせて
山歩きを楽しみました。とりわけフギレオオバキ
スミレの群落はとても見事でした。そして里より
遅く満開を迎えたエゾエンゴサクの群落で、ついに
ヒラヒラと舞うエゾヒメギフチョウに遭遇しました!
…でも、その動きの速いこと、速いこと…。ちっとも
じっとしてくれません。これでは写真に収めるなんて
とてもできないと諦めかけ、せめてその姿を心に
焼き付けて、今日はこれで良しとしようと思いかけ
たとき、不思議なことが起こりました。何度カメラを
近づけようとしても、からかうようにすり抜けていた
その蝶が、急に逃げるのをやめたのです。カメラ
を1〜2センチほど近づけても、逃げる気配はあり
ません。夢中でスミレやエンゴサクの花の蜜を
吸っているのです。まるで私の心の声が聞こえた
かのように、様々に角度を変えながらポーズを
とってくれるのです。もう、嬉しくて嬉しくて…天にも
登るような気持ちでした。ギフチョウは別名、
「春の女神」とも言われますが、その女神と心が
通じた気分で思わず舞い上がってしまい、心満た
された私でした。
 
 



真ん中に見えるのが黄金山


 






 







 




フギレオオバキスミレ

 















 
 




この葉っぱの美しいこと…






オクエゾサイシン







 



春の女神:プリマヴェーラ Primavera







 





サンカヨウ


 



逆立ちのアクロバットも見せてくれました

 






    
 












登山口
ログハウス調のきれいなトイレとお休み処あり


 
 




「旧道」と「新道」の分かれ道
頂上前の岩場で合流します

 




エゾヒメギフチョウ
(ヒメギフチョウの亜種で北海道固有種)
Luehdorfia puziloi
亜種 L. p. yessoensis
 




オクエゾサイシン
エゾヒメギフチョウの大好物
この葉に産卵します
 


(花巻の胡四王山)2009.4
ウスバサイシン









(花巻の台温泉近くで)2009.4
ヒメギフチョウ
Luehdorfia puziloi
亜種 L. p. inexpecta