花と光と風と…
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啄木と北海道   
 





函館大森浜の啄木像



「石川啄木」像



 


郷里と北海道を結ぶ何人かの文化人・・・
金田一京助(国語学者、アイヌ語研究)
佐藤昌介(北海道大学初代学長)
新渡戸稲造(札幌農学校二期生、国際連盟次長)

かの宮澤賢治も修学旅行で訪れていて、その作品の中に、室蘭の名前がでてくるし、「銀河鉄道」の描写にもその影響が現れています。

でも、石川啄木のことは、正直あまり知りませんでした。これからはもっと関心を持って、そのゆかりの地を訪ねてみたいと思っています。

 たった26年と2ヶ月の短い生涯の中で、この北海道で過ごしたのは、たった1~2年足らず・・・。
でもその人生はとても鮮烈で、悲しいまでに美しい。貧乏と病との戦いの連続だったけれど、それゆえにか、彼の言葉の一つ一つは、真実に響き、聞く者の心の琴線を揺さぶります。



 



 潮かをる 北の浜辺の

 砂山の かの浜薔薇よ

 今年も 咲けるや


         ー 函館







 




ハマナス (浜薔薇)





 










 



かにかくに 渋民村は恋しかり

おもひでの山

おもひでの川

   ー 岩手 渋民村







 



やはらかに柳あをめる 北上の

岸辺目に見ゆ 

泣けとごとくに








 









 










 



函館の青柳町こそかなしけれ

友の恋歌

矢ぐるまの花









 


東海の 小島の磯の白砂に

われ泣きぬれて

蟹とたはむる

















 










 



石狩の 都の外の

君が家

林檎の花の 散りてやあらむ









 



砂山の 砂に腹這ひ

初恋の

いたみを 遠く おもひ出づる日








 








 








 



アカシアの並木に ポプラに 

秋の風

吹くがかなしと 日記に残れり





 



しんとして 幅廣き街の 

秋の夜の 

玉蜀黍の焼くるにほひよ







 















 
 



子を負ひて

雪の吹き入る停車場に 

われ見送りし妻の眉かな












さいはての 駅に下り立ち 

雪あかり

さびしき町に あゆみ入りにき







 
 








 









 



みぞれ降る

石狩の野の 汽車に読みし

ツルゲエネフの 物語かな





しらしらと 氷かがやき

千鳥なく

釧路の海の 冬の月かな



































新しき明日の来るを信ずといふ

自分の言葉に

嘘はなけれど












友がみな 我よりえらく見ゆる日よ

花を買い来て

妻としたしむ