花と光と風と…
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カラスの仲間たち Part1     2010-2018





ハシブトガラス  嘴太烏

スズメ目カラス科カラス属
学名:Corvus macrorhynchos
英名:Jungle Crow





ハシボソガラス  嘴細烏

スズメ目カラス科カラス属
学名: Corvus corone
英名: Carrion Crow





 たまに耳にする「カラスのような濡れ羽色」とは、女性の髪の色彩を形容する言葉です。古来から日本人女性の理想美であり、黒く艷やかな 女性の髪の毛を形容する言葉として用いられてきました。
 確かに良く見かけるカラスを見てみると、その艶やかな漆黒の羽は濡れ羽色の美しさがありますね。
 町角や路地裏で見かけるカラスは、どちらかというと嫌われ者のイメージで、私も「野鳥観察」の対象からはずしてきました。けれど、そのカラスにもいろいろな種類があり、それぞれにとても面白い特性があることを知り、興味を抱くようになりました。

 まず、一番私たちに身近な2種類のカラスは
ハシブトガラスと、ハシボソガラスでしょう。
その他に、『北海道野鳥図鑑』によれば、

・ハシブトガラス (スズメ目カラス科カラス属)
・ハシボソガラス (スズメ目カラス科カラス属)
・ワタリガラス   (スズメ目カラス科カラス属)
・カケス      (スズメ目カラス科カケス属
・カササギ   (スズメ目カラス科カササギ属)
・ホシガラス (スズメ目カラス科ホシガラス属)
・ミヤマガラス   (スズメ目カラス科カラス属)
・コクマルガラス (スズメ目カラス科カラス属)
 
 その他には、本州では見かけるという「オナガ」(スズメ目カラス科オナガ属)もありますが、北海道では迷鳥とされ、見かける機会はほぼ無いようです。また、ニシコクマルガラスも北海道には縁がなさそうですので対象外とします。
 私は幸運にも、この中で、「ワタリガラス」以外は全部クリアしたと思います。
 この「ワタリガラス」は、北海道の道東に局部的に渡来するようです。是非、今年はお会いしたいものです。興味がある理由は、その他のカラス(メジャーなハシブトとハシボソ)は、英語名が、「クロウ(Crow)」なのに、このワタリガラスだけは、「レーヴァン(Raven)となり、異なっていることに気づいたからです。そしてイギリス文学などに現れる、不思議な魔力をもつ、予知能力のある生き物として「レーヴァン」が登場するからです。そう!、おなじみの「ハリーポッター」を始め、旧約聖書の「ノアの箱舟」や北欧神話などにも登場します。
興味はつきないですね。


ハシブトガラス 



  ハシブトガラスの名前の由来は、「嘴=くちばし」が太いことからです。その名に恥じないような、太くて立派な湾曲した嘴(くちばし)を持っています。
そして、更に以下の特徴を持っています。
額がかなり盛り上がり、モヒカンのようだと形容される。体の色は、青みがかかった漆黒色。
地上を歩く時は、ピョンピョンと弾むように跳ねる。鳴き声は「カア、カア」と澄んだ声で鳴く。
・・・などの特徴があります。

 ハシブトガラスはもともと、自然界の森などで暮らしていたところ、餌を求めて人間社会に進出してきました。そして人間社会の進化に適応し順応できるように賢く進化してきたのでしょう。
数あるカラス類の中で、一番「学習能力」があると認められているようです。生き延びるための知識を貪欲に吸収し、賢く進化し続ける超努力家ですね。
 










ハシブトガラス

大きさ:L(=Length全長)57cm

でこチンが可愛い愛嬌のあるお顔ですね!




ハシボソガラス 
 




ハシボソガラス

大きさ:L(=Length全長)50cm

典型的なハシボソカラスのシルエット
ハシブトに比べて、くちばしは細め、
おでこも出っ張っていません。



 


 ハシボソガラスの 英名の Carrion Crow は「死肉を食うカラス」を意味しますが、実際は植物採食を好むようです。全長50cmほどで、全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色。外から見える羽は黒いけど、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットのように白く柔らかな羽毛で、寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをするとのこと。たくましいですね。
また、ワタリガラスが地上では、ピョンピョンと飛び跳ねるのに対して、このハシボソガラスは、足を前後に交互に動かして前進します。人間のように歩くのです。面白い違いですね。
そしてハシブトに比べると、生息域も比較的農耕地など自然界に近い方を好むようです。
さしずめ、ハシブトガラスは「都会派」で、ハシボソガラスは「自然派」「田舎好み」というところでしょうか?
鳴き声も、ハシブトは「カア、カア」と標準語で鳴き(?)、ハシボソは、「ガア、ガア」と濁った鳴き声とのこと。


 




ワタリガラス   (イメージ)・・・希望的観測

ワタリガラス(渡鴉)、学名 Corvus corax)、スズメ目カラス科カラス属。
英名は「コモン・レーヴァン (Common Raven)」あるいは「レイヴン、レーヴァン (Raven)」。
「ワタリガラス」という和名の由来は、日本では渡り鳥として北海道で見られることに由来。
別名:オオガラス(大烏)



カモメ(左)、   ワタリガラス(中央)(=イメージ)、  ハシブトガラス(右)
(全長:62cm)         (全長:63cm)            (全長:57cm)

これはかなり希望的観測ですが、数年前の石狩浜で、見かけた魚の奪い合いのシーンです。
最初に魚を見つけたのはカモメでしたが、そこに例の如くハシブトガラスがやってきて
奪おうとちょっかいを出します。そのうちに更に大きなカラスがやってきて
「おいおい、それをよこしな。俺のもんだぜ」と言わんばかりに、その獲物に足をかけます。
観察すると、ハシブトガラスより遥かに大きめでかなり強そうでした。
どう見てもハシボソガラスのサイズではなく、嘴も強大で、喉元(のどもと)も膨らんでいます。
難点は、ワタリガラスは、喉元から胸にかけて「毛羽立っている」という点が違うかな
・・・とも思いますが、海辺の高湿度の日、しっとりと濡れていたから毛羽立たなかっただけでは?

ワタリガラスの神話-コラム


 カケス
 




ミヤマカケス  (全長:33cm) (深山懸巣)

学名:Garrulus Glandarius Brandtii
英名:Eurasian Jay
カケス: 学名:Garrulus glandarius
 




(こちらの写真は、頭部に細い枝の影が
映っています。柄模様ではありません。)

(2枚ともミヤマカケスです)


北海道のカケスは亜種になり、本州の「カケス」に対して、「ミヤマカケス」とよばれます。
本州のカケスは、頭が白くマダラ模様で、胸の色もより濃い茶色です。
そして白目の部分が大きくて黒目が小さいため、
ややキツイ目つき、顔立ちだと形容されます。
比較すると、確かにミヤマカケスは黒目がちの優しい顔立ちです。
その為、北海道の「ミヤマカケス」のほうが、優しいイメージとなっているのかもしれません。
 
この「ミヤマカケス」の何よりの特徴は、とてもモノマネが上手だということ。
クマタカやノスリ、フクロウなど猛禽類や、他の小鳥達、また猫の声などを
とても上手に真似します。声帯がオウムやインコに似ているのでしょうか?
面白いですね!
通常は、「ジェー、ジェー」としわがれた声で鳴き、英語名の『Jay』はこの鳴き声に由来とのこと。




カササギ 





カササギ  (全長:45cm)、(鵲)

学名:Pica pica
英名:Eurasian Magpie




英語名は、「マグパイ」と言います。
だいぶ昔、イギリスの親族を訪ねた時に、綺麗な小型の
黒い鳥が庭先に来た時、カラスの仲間で
とても品の良い鳥だと、皆が好んでいたことを
思い出しました。
確かに「クロウ」ではなく、「マグパイ」で、
カラスの仲間だと言っていました。




 
 






 カササギ(全長:45cm)と、カケス(全長:33cm)となると、かなり違いがあるように見えますが、この全長という計測方法は、トリの場合、嘴の先から尾羽の先までなので、実際のボディの長さ大きさからすると違ってきます。

カササギの尾羽はかなり長いので、ボディ自体の大きさでは同程度かと思われます。
さらに同種であっても、個体差は勿論存在します。
あくまでも平均サイズです。


 





 ホシガラス





ホシガラス  (全長:35cm)(星鴉)、

学名:Nucifraga Caryocatactes
英名:Spotted Nutcracker

名前の意味は、「斑点のあるマダラ模様の
くるみ割り(木の実割り)器」
なるほど、一生懸命木の実を砕いて食べるからですね









通常、このホシガラスは、高山のハイマツ帯にいて、
ハイマツ等の木の実を食べていますが、
天候不良が続き、木の実が不作の時には
平地近くに下りてくる場合があるとのことです。
私が見かけたのも、市街地の庭園でした。

見かけたのは、同じ公園で、昨年の1月、6月です。
ひょっとして木の実の豊富なこの地が気に入り
住み着いて繁殖まで行うのでは?と思っています。




 ミヤマガラス





ミヤマガラス  (全長:47cm) (深山烏、深山鴉)
学名:Corvus Frugilegus
英名:Rook

ミヤマガラスの特徴は、
この嘴から上に垂直に張り出た「ひたい」です。
同じ「デコチン」でも、丸く盛り上がったハシブトとは違い
四角ばっています。

そしてこの白銀色に輝くクチバシ。
この風貌は一度見たら忘れられません
それは、成鳥になると嘴基部の皮膚が剥き出しになり
白く見えるからです。









ミヤマガラス(左)     コクマルガラス(右)
(全長:47cm)      (全長:33cm)

コクマルガラスとの比較では
その大きさの違いは一目瞭然!

大群で行動する習性があり、
その群れにはよくコクマルガラスが数羽
混じっていて仲間として認識しているようです。
お互いに一緒に行動することで外敵から
身を護っているのでしょう。
自分達より小さいコクマルガラスを
まるで我が子を護るように
取り囲んでいる姿はいじらしい気もします。




 コクマルガラス  (淡色型)





コクマルガラス  (全長:33cm)(黒丸鴉)

学名:Corvus Dauuricus
英名:Daurian Jackdaw









私の愛読の書『北海道野鳥図鑑』には、
この「コクマルガラス」は、「迷鳥」もしくは「稀な旅鳥」
と書かれています。故に、3年前に偶然出会った時は
感動で天にも昇る気持ちでした。
その後、毎年あるエリアで出会っています。
冬の餌場としてお気に入りのエリアなのでしょう。




コクマルガラス  (暗色型)





上記の写真が、果たして
「ニシコクマルガラス」なのか、
「コクマルガラス」の暗色型なのか、
はたまた、一説によれば、
単に「コクマルガラス淡色型(白黒)の幼鳥なのか
・・・は不明です。

その後、ニシコクマルガラスを調べたところ
やはり色彩や目の形状からこの上記の写真とは
違うと思いました。
おそらくは「コクマルガラス暗色型」ということで
一件落着です



 
 




上記の「コクマルガラス」には、
「淡色型」と「暗色型」の2種類があり、
専門家の間でも、
とりわけその「暗色型」に関しては
様々な異論があるようです。

「暗色型」を、「白黒明瞭な淡色型」の幼鳥とする場合と、
「暗色型」を「ニシコクマルガラス」として
区別する場合です。

勿論、素人の私には区別のしようも無く、
両方の可能性を記しておくだけにします。




変わり者





形状や大きさは、ほぼ「ハシボソガラス」と
同じで間違いないと思います。

ただ、全身を覆う羽毛に、黒色だけでなく
「藍色」や「白色」が混じっていました。

まれに「アルビーノ」(白子)とよばれる
色の抜けた種が生まれることがあるようですが、
原発放射能の影響も考えられるとも言われます。
さて、どうでしょうか。










確かに、光線の具合ではなく、
きれいな「藍色」と、「白色」の羽毛です。

色合い的には、上記の「カササギ」の色合いに
共通していますね。
まさか、「ハシボソガラス」と「カササギ」の
ハーフだとは思いませんが・・・。