花と光と風と…
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ミヤマエンレイソウ ・ ムラサキエンレイソウ  スミレたち   2020  Spring





オオルリ  (大瑠璃)
学名: Cyanoptila cyanomelana
スズメ目ヒタキ科オオルリ属

長い根雪の季節が過ぎて、サクラの花が咲き出すと
この美しい瑠璃色のオオルリが
やって来ます。

よく似たコルリとの識別点は、
オオルリは嘴の下から胸元にかけて黒い部分と
青い部分があり、
コルリは、嘴から下は、真っ白です。




ミヤマエンレイソウ  (深山延齢草)
(別名:シロバナノエンレイソウ)

純白で、可憐なミヤマエンレイソウ!




 私のエンレイソウとの出会いは、はるか昔、大学生の時に文通していたカナダ在住のイギリス人から送られてきたポストカード(葉書)でした。そのポストカードには、大きな3つの花びらを持つきれいなピンク色の花が写っていました。そして、小さな文字で、「Trillium Grandiflorum」とあり、オンタリオ州の州花と書かれていました。
その写真をしげしげと眺めながら、花びらが3、がく片が3、大きな葉も3だから、「3数」を表す「Tri」がつくのだなと妙に納得したのでした。
まさに、「Trillium = トリリウム = 3のユリ」ですね!
そしてこの北海道の山野で、そのエンレイソウに出会い、そのバラエティに富んだ様々な姿を目にして、トリコになってしまいました。

エンレイソウの仲間は交雑種が出来易いのですが、全道的には、花期が少しずつズレているので多くはありません。 ところが、ここ道南は、比較的、独特の気候の為か、全てのエンレイソウが同時期に開花する傾向があります。その為、交雑種(ハイブリッド)が生じやすい場所と言えるのではと思っております!
日本に現存する親種はエンレイソウ、オオバナノエンレイソウ、ミヤマエンレイソウの3種、現存しないオオバナノエンレイソウが1種あり、その交雑種にトカチエンレイソウ、ヒダカエンレイソウ、コジマエンレイソウ、カワユエンレイソウ、倍数体の違うシラオイエンレイソウが2種あります。現在見られるエンレイソウは日本ではその9種と言われますが、それを更に分類すると14種あるとも言われます。ちなみに、北海道では全ての種を見る事が出来るようです。
かつては、「ユリ科」に分類されていましたが、現在は、「シュロソウ科エンレイソウ属/多年草」とされ、「シュロソウ科」となっています。ところが、検索してみると、未だに「ユリ科」として表記されているものが多々見られます。北大のエンレイソウ研究の専門家、大原雅教授も、エンレイソウのことを「シュロソウ科の多年草」と記述しています。

今回は、エンレイソウ親種3種のうち、ミヤマエンレイソウにスポットを当てました。そしてミヤマエンレイソウとほぼ近似種で、色が薄紫~ピンク色のムラサキエンレイソウが沢山見つかりましたので、こちらもコラボで載せました。本当に可憐で美しいです。
函館山の七曲コース(別名スミレコース)で出会うスミレとのコラボにしました。全部で10種あります!








スミレサイシン (菫細心)
学名:Trillium tschonoskii var.atrorubens











ミヤマエンレイソウ (深山延齢草) 
学名: Trillium tschonoskii Maxim.



 




スミレサイシン  (菫細心)












ミヤマエンレイソウ  (深山延齢草)

花は横向き
花弁とがく片は同じ長さ
花弁も、おしべも、めしべも真っ白
花弁も、葉身も波打っています



 


ミヤマエンレイソウ (深山延齢草)

典型的な、ミヤマエンレイソウ

白い花弁、がく片、おしべ、めしべ(子房)
がく片の先は、つまんだように
尖っています
花弁とがく片の長さは同じくらい


 

コルリ  (小瑠璃)
学名: Luscinia cyane

オオルリとの違いは
この白い喉と胸元です
そして、ほっそりとした長い足!





オオタチツボスミレ (大立坪菫)

菫の距(花の後ろのふくらみ)が白いのが
オオタチツボスミレ
赤紫色なら、タチツボスミレ



 




ムラサキエンレイソウ  (紫延齢草)
学名: Trillium tschonoskii Maxim. f. violaceum Makino  

白い花弁のミヤマエンレイソウに混じって
淡いピンク~赤紫色の花を
咲かせます

 




ムラサキエンレイソウ










ニョイスミレ  (如意菫)

別名:ツボスミレ(坪菫)と言いますが、
高名な植物学者の牧野富太郎博士は、
そのツボスミレという名を良しとせず、
仏具の如意からとった「ニョイスミレ」と
命名したとのこと
坪は庭を意味し、単に庭に咲くスミレと
なってしまうため、識別に適さないという…






タチツボスミレ (立壺菫)

見分けのポイントは、
距の部分が、赤紫色

オオタチツボスミレは、距が白色です



 




ムラサキエンレイソウ  (紫延齢草)












ムラサキエンレイソウ  (紫延齢草)










シロバナ・オオタチツボスミレ



 




ヒナスミレ  (雛菫)







 




ミヤマエンレイソウ  (深山延齢草)







 



オオルリ


 






アケボノスミレ  (曙菫)







 




ムラサキエンレイソウ  (紫延齢草)







 




ヒカゲスミレ  (日影菫)












ミヤマスミレ  (深山菫)











これも珍しいエンレイソウ

がく片も、花弁も
あまり尖っていないので
基本は、オオバナノエンレイソウ

でも、花弁の元がきれいなピンク色
鮮やかなピンク色は、本当に珍しい!




これも不思議なエンレイソウ

がく片は、オオバナノエンレイソウ風
花弁は、シラオイエンレイソウ風
おしべは、めしべと同じ長さ
子房(めしべ)は緑色
そして、
柱頭(子房のトップ)は、5裂!
普通は、3裂です
そして、とても大きい!

あなたのお名前は、なに?














ニオイタチツボスミレ (匂立坪菫)

数年前、千畳敷の頂上付近で…
当時は、3カ所に点在していましたが、
その後、見かけなくなりました