花と光と風と…
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当別丸山 トラピスト   2020  Summer





ルルドの洞窟の聖母像





クルマユリ (車百合)
ユリ科ユリ属の多年草
学名: Lilium medeoloides 




クルマユリの名は、茎に輪生する葉を
車輪の輻(や)に例えたことに由来







 しばらく前のことですが、当別丸山に初めて登ってきました。この山は、トラピスト修道院の裏手にあります。このトラピスト修道院と、その背後にある「ルルドの洞窟」そしてその周辺の山野草の散策には何度か訪れたことがありますが、当別丸山はこれまで登ったことがありませんでした。

 トラピスト修道院は女人禁制で、明治29年に日本で初めて設立された、男子修道院です。当時、この修道院からは日に何度も鐘の音が聞こえてくるため、村民たちはこの修道院を「ガンガン寺」と呼んでいました。当初の修道士は、フランス、オランダ、カナダ、イタリアから来た9名であり、オランダからやって来たホルスタイン種の乳牛を育てながら、南北海道の酪農の原点を築きました。修道院への階段前広場にあるお休みどころ(売店)のソフトクリームやバタークッキーは、格別の濃厚な味わいで定評があります。

 大正9年には、三木露風(1889~1964年)が文学講師としてこの地に招かれ、4年ほど滞在し、大正11年には、夫人とともに洗礼を受け、クリスチャンとなりました。
その滞在期間に、「赤とんぼ」や「野薔薇」を作詞し、その後、東京に戻り、75才で没しました。
そして翌年、勲四等瑞宝章を追贈されました。

 瑞宝章で思い出しましたが、私の母方の祖父も、佐藤栄作首相の時に、勲三等瑞宝章(現在は、瑞宝中綬章)を皇居にて受勲しました。実家には、その時の大きな賞状と立派な漆塗りの木箱に入った勲章がしまってあります。長年の裁判官としての功績を認められたとのことでした。祖父はとても物静かで温厚な人柄でした。幼い頃、我が家を訪れる時はいつも、お土産に、私の大好物の森永のエンゼルパイを持ってきてくれ、美味しそうに頬張る私達を、本当に嬉しそうに眺めていた姿が思い出されます。


    「赤とんぼ」
夕焼、小焼の、 あかとんぼ、
負われて見たのは、
いつの日か。
山の畑の、桑の実を、
小籠(こかご)に、つんだは、
まぼろしか。
十五で、姐(ねえ)やは、嫁にゆき、
お里の、たよりも、
たえはてた。
夕やけ、小やけの、赤とんぼ。
とまっているよ、
竿の先。
    (三木露風 作詞、山田耕筰 作曲)





    
 




修道院脇の一本の木

この木がとても大好きです。
この地に刻まれた様々な歴史を
ずっと見つめてきたのでしょう。



 




トラピスト修道院に至るポプラの並木道

「北海道まちづくり100選」
「人間道路会議賞」










修道院へのポプラ並木の左側に見える
当別丸山






ルルドの洞窟に至る道であり、
当別丸山への登山道でもあります。






 




当別丸山へは、この聖母像の前を通り
左へと曲がります











初夏の緑が、うっそうと生い茂る中を
黙々と登ります






 




ダケカンバの雄々しい姿、
その木々の葉の青々とした色あいに
ただ感動するばかり…



 




ユキザサ (雪笹)

キジカクシ目キジカクシ科(APG植物分類体系)
学名: Maianthemum japonicum  









ヒメアオキ (姫青木)
ガリア科アオキ属の常緑低木
学名: Aucuba japonica var. borealis
 


 




分かれ道
右は展望台
左は頂上

勿論、先に頂上を目指し、
下りに展望台へと向かいました



 




山頂までほぼ、後半分となりました
休まず登ります

なんだもうすぐだと思いましたが
その後は、かなり険しい急登続き…

履いていたズック靴が
壊れるかと心配しました

 



うっそうと茂る林の間から
トラピストの敷地や函館湾が見え隠れします











当別丸山の頂上です!







 




キアゲハ (黄揚羽)
チョウ目・アゲハチョウ科
学名: Papilio machaon 
英名:
Old World Swallowtail

頂上では、2頭が、乱舞していました



 




キトンボ or アキアカネ?












当別丸山の山頂

木々の間から、
駒ヶ岳や他の山並みが見えます




 




「野薔薇」  三木露風

ルルドの洞窟、当別丸山の登山口
にある歌碑




 




ヤブカンゾウ (藪萱草)









エゾスカシユリ (蝦夷透百合)







 




ノビネチドリ (延根千鳥)
ラン科ノビネチドリ属の多年草
学名: Neolindleya camtschatica





スジグロシロチョウ
もしくは
エゾスジグロシロチョウ

やはり、判別は困難ですね!
















エゾキスゲ (蝦夷黄菅)
もしくは
ゼンテイカ (禅庭花)

…素人の私には判別が難しいです!