左の写真は、「シロキツネノサカズキモドキ」と言います。「･･･モドキ」というからには、本家本元の「シロキツネノサカズキ」が存在します。 　でもこのことで、植物や昆虫の名前に、こうした「･･･モドキ」や、「･･･ダマシ」、「ニセ･･･」という名前があることに不思議さを感じました。 　思い返せば子どもの頃から、5月の爽やかな風に乗って甘く爽やかな香りを漂わせる「ニセアカシア」(ハリエンジュ）の名前にも、かすかな疑問を感じていました。こんなに素敵な花になぜ「ニセ･･･」などという言葉をつけるのだろうか･･･と。 　バッタの仲間では、ナナフシに対して「ナナフシモドキ」、ショウリュウバッタに対して「ショウリュウバッタモドキ」など。チョウの仲間では、コヒョウモン」に対して「コヒョウモンモドキ」。また調べてみると、甲虫の仲間に信じられないほどの長い名前を持つ虫がありました。その名前は「ニセクロホシテントウゴミムシダマシ」。･･･なんと長くてややこしい名前でしょうか！？　 　その後、きのこの仲間にも面白いものが沢山見つかりました。松茸(マツタケ）においては「マツタケモドキ」、「ニセマツタケ」、「バカマツタケ」･･･。 　以前に取り上げた「タマゴタケ」はハラタケ目のテングタケのグループに属しますが、食用になるのは、このタマゴタケとキタマゴタケくらいで、他のテングタケの仲間はほとんどが「有毒」か「猛毒」です。それが同じグループとは驚きでした。その食用のキタマゴタケに一見するとそっくりで素人目には判別できないそっくりさんに「タマゴタケモドキ」があり、これは「猛毒」です。 　ただ単に、本家本元のほうが先に人間に発見され、識別され、名付けられたというだけであって、後から発見されたこれらの動植物が、あえて何かを模倣したり、本家本元のふりをして人間をだましたりしようとしているわけでもあるまいし･･･と思うのですが。 　このように名前にモドキやダマシとつくものには、「もともとよく似たもの=オリジナル」（すでに発見され名付けられたもの）が存在することから、2番手、3番手に見つかった似たものを区別するために、そう名付けられているのでしょうね。 ･･･とりあえずは納得です。