♪ 小さな私塾の先生から見た子ども達、風景、異文化の世界 ♪
花と光と風と…
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アポイ岳登頂   June 2010











山頂に広がる岳カンバ



  標高が低いせいなのか高山帯の上に樹林帯が
 存在するという不思議な山で、山頂はダケカンバ
の林に覆われています。


  先日、北海道に来て初めてのアポイ岳登山ツアー
に参加してきました。
 早朝から高速バスで一路、日高地方の様似にある
アポイ登山口まで乗り入れ、登山靴に履き替えて、
リュックを背負い、頂上を目指しました。
幸い、お天気にも恵まれ、アポイ岳やこの日高山地
特有の固有種の花々にもいくつか出会うことができ
ました。
その後、ふもとのアポイ山荘のとてもきれいな温泉で
汗を流し、美味しいソフトクリームと生ビールで疲れ
を癒しました。最高・・・でした!!

            ≪アポイ岳≫

 アポイ岳は北海道南部の日高山脈南端に位置し、
標高はわずか810.6mにもかかわらず、2000m級の
高山性の植物や特有の固有種が数多く生育して
います。その植物相の貴重さゆえに、1952年には
国の天然記念物に指定されました。

 心地よい風を感じながら登っていくと、丁度5合目
ぐらいから山頂にかけて美しいカンラン岩が地表に
露出しているのに気付きます。その固有の植生といい
露出した岩石の美しさといい、丁度、大好きな「早池峰
山」の蛇紋岩やその植生を思い起こさせてくれたの
です。後で調べてみると、このアポイ岳は、やはり岩手
の「早池峰山」、「谷川岳」、「尾瀬至仏山」、「夕張岳」と
ともに、蛇紋岩系の山とされていることが分かりました。
他の日本の多くの山が火山性であるのに対し、これら
は地中のマントルが隆起してできた山々なのです。
そして「蛇紋岩」とは、地球内部に存在する「マントル」
の主成分「カンラン岩等の超塩其性岩」が、水を含んで
変質した岩石なのだそうです。

・・・やはり、私のカンは当たっていたのですね!

 これらの山のように、貴重な高山植物が咲いたり、
周囲の山とは異質な景観の山になることを「蛇紋岩
マジック」と言うそうです


かつての早池峰山登山を見てね!
そしてこちらも、’07早池峰 !





エゾオオサクラソウ






アポイアズマギク







エゾキスミレ








サマニユキワリ


 



アポイタチツボスミレ


 



ミヤマオダマキ

 



山頂のチシマザクラ


 



サマニユキワリ


 



ヒダカイワザクラ


  蛇紋岩という呼び名は、しばしば表面模様が暗緑色の
 蛇の皮に似ていることに由来します。

  日本では 土壌の母岩はほとんどが珪酸を含む酸性
 岩です。けれど一部には、このアポイ岳などのように
 珪酸を含まない石灰岩や蛇紋岩、カンラン岩などの
 特殊岩石が母岩となっている場所もあります。
 すなわち、それはカリウムやカルシウムが少ない
 貧栄養の土壌であることを意味しています。
 こうした土壌に生きる植物は、茎や葉が暗紫色を
 帯びる傾向があるようです。

  貧栄養に加えて一年の半分以上が豪雪、風雪に
 さらされる過酷な境遇の中で生き延びることを思うと、
 毎年春が来る度に花を咲かせることの生命の『神秘』
 と『奇跡』を思わざるをえません。

  それが私にとって、華やかな園芸種ではなく、あえて
 高山に咲く素朴な花々に強い思い入れを持つことの
 原点ではないかと思うこの頃です。


 



5合目からアポイの山頂を望む
 



チングルマ


 




チシマキンレイカ
(別名 タカネオミナエシ)

 



エゾヤマザクラ

 



エゾヤマザクラ




 
ゴゼンタチバナ





エゾオオサクラソウ


    
 



初めてのイチヨウランとの遭遇!
根元に葉がたった一枚つくため「一葉蘭」です

 



イチヨウランは幻の花であり、絶滅危惧種でもあります!





 
ヒメイチゲ