
黒岳駅(ロープウェイ5合目)
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この紅葉谷の散策路を歩きながら、私は、数年
前に訪れた鹿児島県南端の屋久島の自然を思い
返していました。南北に長く伸びる縦長の日本列島
のほぼ南端と北端の違いはあれど、ここ大雪山と
屋久島の、それぞれに厳しい自然環境の中で、
生き延び、種を保存しようとする激しい「生存への
バイタリティー」には共通するものを感じました。
力尽きて倒れた親木の上に、新たに芽を出し生命
をつなぐ「倒木更新」、むき出しの岩の上に絡みつ
くように根を張り、生き続ける木々の姿。自らの姿
に脅威をまとい(蛇目の紋など)敵から身を守る
蝶。身を挺して我が子を守るヒグマの母親。
…どれもこれも、みな生命を、そしてその「種」を
未来永劫に残して継承させていこうとする自然
の摂理にのっとっています。
…しかし、現代人はどうだろう。と、ふと考えて
しまいました。この自然界の中で、唯一、人間
だけが自らの種の滅亡に向かって暴走し始めて
いるのではないだろうか…。とりわけ「3.11」
以来、そう感じてやまないのですが。
でも、この大自然の美しい営みを眺め、その心地
よさを感じながら歩いていると、この現実に直面
し、今迄気付かなかった様々な事に多くの人々が
気づき始めたこと自体が、「問題解決の大きな
一歩」だと思えてきました。きっと、これからの
未来は明るいものになるに違いないと思うの
です。問題の根源に気づき始めさえすれば…。
そして私たちが今までの自己本意な生き方を改め
さえすれば…と考えながら、何故か安堵感がこみ
あげてくるのを感じました。
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