
ギンリョウソウ 銀竜草
ツツジ科ギンリョウソウ属
学名:Monotropastrum humile
Monotropastrum : (Monotropa, シャクジョウソウ属)
+(astrum (似る)
humile : 低い、小さな
6月初旬 撮影
春~初夏
別名 「ユウレイタケ」

ギンリョウソウモドキ 銀竜草擬
ツツジ科シャクジョウソウ属
学名: Monotropa uniflora
英名:Indian pipe
9月初旬 撮影
秋に出現
別名 「アキノギンリョウソウ」
近年では、「腐生菌」ではなく、「菌従属栄養性」(=葉緑素を持たず菌から栄養を受け取って生きている)、または、「菌従属性栄養植物」
という説明が主流となってきているようです。
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先回の「・・・モドキ」ついでに、今まで気になっていた「ギンリョウソウ」と「ギンリョウソウモドキ」に、今回はスポットライトを当ててみました。
ギンリョウソウは、別名「ユウレイタケ」と言われるように、草木の生い茂った暗い森の中にぼ~っと白く浮かび上がる姿は、神秘的です。そして葉緑素が無いため、一見するとキノコの仲間かと思われやすいようです。また中国では「水晶蘭」と呼ばれています。
どちらも日影を好み、葉緑素を持たない腐生植物ですが、それぞれの違いは端的に言うと、
①ギンリョウソウ:(花期:5~8月)
別名:ユウレイタケ
ツツジ科ギンリョウソウ属
果実は液果(水分が多く、軟らかい果実)
②ギンリョウソウモドキ:(花期:9~10月)
別名:アキノギンリョウソウ
ツツジ科シャクジョウソウ属
果実は蒴果(乾燥果)
更に調べてみると面白い事が分かりました。
このギンリョウソウとギンリョウソウモドキは、他の「…モドキ」とは「主従関係」が逆転しているのです。学術上、動植物につける世界共通の名称はラテン語表記ですが、その学名によれば、ギンリョウソウモドキの方が、それが属するシャクジョウソウ属の代表(主)であり、ギンリョウソウの方が「そのギンリョウソウモドキに似た者という意味合いになります。つまり「主・従」が逆転しているのです。面白いですね!
…ところが、一度はギンリョウソウの学名が「Monotropastrum humile」であり、その中の単語「Monotropastrum」の語源(語尾)の「astrum」が、(~に似る)だと突き止めたはずだったのに、その後いくら調べても、「astrum」はギリシャ語で、「星、星型、星状starを意味する"astron"が由来」という解説ばかりが出てきます。
その後の調べで、「植物生態学、環境保全学」のラテン語(ギリシャ語)関連のページの中に、ようやく「植物の学名」に関する解説を見つけました。
その『属名(genus name)』という項目の中に、
ナス科のホオヅキ属の名前の説明として、
Physaliastrum n<gn Physalis (gn) + astrum (似る) = Physalis属に似た。ナス科
…という解説がありました!
これで、「astrum」= (似る) で良いのだと確信しました。ひとまず安心です。
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