
地球岬の灯台
晴れた日には丸味を帯びた水平線が見えるはずですが
晴れにもかかわらず、海面には霧がかかっていました
残念!

絵鞆岬からの眺め
背後にはうっすらと羊蹄山が見えます
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毎年、長い冬が終わり雪解けが始まると真っ先にあちらこちらの野や森に、一斉に花咲かせるスプリングエフェメラルの花々…。どれ一つをとっても愛らしく目を楽しませ、心躍らせてくれる花々です。そのスプリングエフェメラル(春のはかない命、春の妖精)とは、、カタクリ、エゾエンゴサク、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、ニリンソウ、キバナノアマナ、ナニワズ、そしてエンレイソウ、…等が挙げられます。とりわけ、このエンレイソウには、この10年余り、特別な想いを持って探索を続けてきました。
そんな中、今年も5月の半ばに差し迫った頃、エンレイソウ研究の大家、北大の大原先生から情報が届きました。なんと、大原研究室で修士論文の調査研究してきた院生が、胆振地方のコジマエンレイソウの群生地で、トカチエンレイソウを発見したというニュースでした。エンレイソウの種類は、公式には8種類、そして変種を含めると14種類が、この北海道の地に存在すると言われており、私もこの10年余り、全種類に出会うことを毎年願いながら散策を続けてきました。その中で、唯一確信を持って出会ったといえずに来たのが、この「トカチエンレイソウ」だったのです。
ただ、実際にその群生地に一人立ってみると、その広大なコジマエンレイソウの群落に圧倒されてしまい、その中からどうやってトカチエンレイソウを見つけることが出来るのか途方に暮れてしまいました。でも、ひときわキレイで愛らしいコジマエンレイソウの花々に出会うことができ本当に来て良かったと心から思いました。
この室蘭は、道外から北海道に移り住んだ最初の地で、すでに当時から近隣の伊達市の善光寺や地球岬、ポロトコタンや萩乃里公園等にも良く訪れていましたが、この場所は知りませんでした。後でまた、じっくりと写真を整理してみたいと思っています。ますます、来年こそは正真正銘のトカチエンレイソウに出会いたいと決意新たにしています!
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まずは今回の主人公、赤い花弁のコジマエンレイソウ、トカチエンレイソウのご両親です!
↓ ↓ ↓ |

オオバナノエンレイソウ
赤い花弁をつける
コジマエンレイソウとトカチエンレイソウの
一方の親にあたります
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(花弁の無い)エンレイソウ
コジマとトカチエンレイソウの
もう一方の親にあたります
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エンレイソウ 延齢草
Trillium apetalon Makino
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オオバナノエンレイソウ
Trillium kamtschaticum Pallas |
そして以下に、いぶり地方、星置緑地、伊達の善光寺、函館山でであったコジマエンレイソウと
花弁の無いエンレイソウをご紹介!
コジマエンレイソウとトカチエンレイソウは、同じ両親(エンレイソウとオオバナノエンレイソウ)を持つ
いわば兄弟姉妹の関係。ただ遺伝子的にはコジマエンレイソウは「稔性」があり、繁殖が可能で
至るところに群生地がありますが、トカチエンレイソウは「不稔性」の為、繁殖できず、稀少種とされます
この2種は極めて似通っており、外見からの判別は難しく、特定するためには、
遺伝子ゲノムでの判別が必要のようです。
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クロミノエンレイソウ 2023
いぶり地方
花弁のないタイプですが
とても美しく存在感があります
(トイシノエンレイソウかな?)
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コジマエンレイソウ 2023
まずは典型的な一枚!
いぶり地方
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コジマエンレイソウ 2023
いぶり地方
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トイシノエンレイソウ 2011
いぶり地方
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エンレイソウ 2023
いぶり地方
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コジマエンレイソウ 2023
いぶり地方
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エンレイソウ 2023
いぶり地方
花弁はありませんが、とても華やかな色です
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エンレイソウ 2023
いぶり地方
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コジマエンレイソウ 2023
いぶり地方
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金屏風 遠景
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典型的な函館山の
コジマエンレイソウ
ガク片の形や質感が違いますね!
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コジマエンレイソウ 2023
いぶり地方
函館山や星置緑地のものに比較して
ガク片の先が尖りシャープで
かなり個性的な印象です
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コジマエンレイソウ
函館山
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コジマエンレイソウ
函館山
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コジマエンレイソウ
星置緑地
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コジマエンレイソウ
星置緑地
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コジマエンレイソウ
善光寺
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コジマエンレイソウ
星置緑地
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エンレイソウ
いぶり地方
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コジマエンレイソウ
善光寺
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クロミノコジマエンレイソウ 2023
クロミノトカチエンレイソウ???
いぶり地方
これだけが群生地の中でクロミでした。
そして子房がとりわけ前に突き出していて
円錐状で際立っていました
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緑のエンレイソウ? 2023
野幌
今年の開花は5月3日ごろ、
枯れて実が落ちたのが6月25日
…なんと1ヶ月半~2ヶ月近く
開花していたとは!
普通のエンレイソウの開花期は約1~2週間です!
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緑のエンレイソウ 2022
野幌
あるブロガーの方によると
気づいたのは2016年以来、毎年同じ場所に
2本仲良く咲いているそうです
去年、2022年の時点では2本とも3数性
ガク片3枚、葉も3枚
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花弁の無いエンレイソウ 2023 いぶり地方
この姿、とりわけシャープで
勢いのあるガク片に心惹かれました
やはり、コジマではないなという感じです
(コジマエンレイソウには、花弁が3枚のもの、
2枚、1枚のもの、花弁の無いものも
あります)
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緑のエンレイソウ 2023
ところが、今年、そのうちの1本が
3数性から、5数性に変化!
葉が5枚、ガク片も5枚、となりました!
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緑のエンレイソウ 2023
もう一つの方は
3数性のままです
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2023/06/25
5月3日に蕾から開花したこの5数性の方は
6月25日に枯れてしまいました。
ちょっと触ったところ
子房の中はスカスカでした。
それが「不稔」の意味だったのでしょうか。
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2023/06/25
同じ日に開花したというこちらは
まだ緑色でした。
触ってみると半分ほど何かが
つまっている感じでした。
どちらにも、アリがついていました!
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